〈ディスレクシア〉 って、なんだろう?

読み書きの困難について

 ディスレクシアの人たちは、読み書きに困難さを持っています。厳密にいうといろいろありますが、読むことが困難であれば必然的に書くことも困難です。また小さいときに、話し言葉が遅かったり、少し違っていたりすると、読みにも影響があるとも言われています。この章では、ディスレクシアの一番の大変さである〈読み書きの困難〉についてご説明します。

 私が 〈ディスレクシア〉 に出会ったのは、序章でご紹介したように、息子がイギリスの学校に留学したときのことです。それは、学校から、「お子さんは、知的能力とコミュニケーション能力に比べて、読み書きの進歩があまりにも遅いと思われます。払たちは、お子さんがディスレクシアであると信じるに足る根拠を持っています」という手紙を受け取ったことから始まりました。

 ●〈ディスレクシア〉 って、なんだろう?

 初めて目にするその言葉は、払の好奇心をかきたてました。でも、インターネットを検索しても、〈ディスレクシア〉 という言葉は出てきません。そこで、仕事で使っている医学辞書を調べてみると、〈失読症〉 という文字が飛び込んできました。

〈ディスレクシア Dyslexia〉 は、ギリシャ語の 〈dys一できない〉 と 〈lexia一読む〉なのだということがわかりました。でも、なんだかしっくりきません。というのは、息子は好きな本を読んだり、自分で小説を書いたりしていたので、読み書きはしっかりできている、と私は思っていたからです。

 だいぶたってから、友人が「息子さんのような状態を、学習障害というらしいよ」と教えてくれました。でも、これもしっくりきません。たしかに、息子は学校で大変な
 思いをしましたが、それは彼が学べないからではなく、学校が彼に合っていないからだ、と払は思っていたからです。