〈書く〉ということ

●〈書く〉ということ

 〈書く〉 ということも、同じように、音に文字を合わせるだけではなく、どの単語を使うのか、それにはどの漢字が当てはまるのか、その漢字の書き順はどうか、どちらがヘンで、どちらがツクリか、などを瞬時に判断して、脳から指令を送り、腕と指先の運動につながって、はじめて 〈書ける〉 のです。

 また、〈書く〉 といっても、いろいろな場面が考えられます。例えば、人に言われて聞いたことを書くのか、黒板に書いてあるのを見て書くのか、自分で考えて書くのか、などがあります。人に言われて聞いたことを書くのは、耳からの情報を処理して書くことになります。黒板に書いてあるのを見て書くのは、目からの情報を処理して記憶して、書くことになります。自分で考えて書くのは、自分で考えたことを取り出して書くことになります。

 それぞれ違う脳の部位を使って取りかかります。耳からの情報であれば、聞いた音を一時的に記憶にとどめ、その昔や文脈にふさわしい文字を、脳の中の辞書から引っばり出して書きます。目からの情報であれば、見たものを一時的に記憶にとどめ、
そのとおりに書き写せばよいのです。板書を書き写す、漢字の練習などがこれです。